ノウハウ

プレイヤー目線で考えた、インサイドセールスを失敗させる8つの原因

現役インサイドセールスのユトルです。

インサイドセールスの情報を調べたり、セミナーに参加すると、立ち上げや運用に対する苦労の声をよく耳にします。

インサイドセールスが活発になったとは言え、そもれここ数年の話。

組織運営に対する課題感はまだまだ強い印象を受けます。

今回は、そんな課題感の解消やスムーズな体制構築・運営へ向け、インサイドセールスのプレイヤーとして仕事をする中で感じた失敗に繋がるリスク運営にマイナスの影響を与える原因をお伝えします。

運営成功は容易ではありませんが、仕組みやマネジメント構築において、プレイヤーの目線は欠かせんません。

一般的なノウハウとは少し違った「リアルな失敗リスク」を捉え、組織作りや活性化を円滑に進めましょう。

原因その1:実行と管理が同居している

インサイドセールス部門の中で、プレイヤーのみで構成させた組織は失敗に繋がる可能性があります。

インサイドセールスという仕事の中には、実際にコールなどで顧客に対してアクションをとる『実働の役割』と、その行動を下支えする『管理面の役割』が必要です。

ここでの管理とは、いわゆるマネージャーではなく、インサイドセールスが動くための基盤やルール作りといった役割を指します。

SFAの運用一つとっても、入力項目やルール、顧客ステータスの定義など、インサイドセールスを行なっていくには、様々な決め事が必要になります。また、状況に応じて変更や修正を行うなど、細かな調節も欠かせません。

また、マーケティング部門と「いつ、どんなリードが何を経由して入ってくるか」「どんなナーチャリングメールが配信されるか」といったリード情報に関する確認や、営業側に対する事務的なコミュニケーションも必要です。SFAを入れたとして、「どこまでインサイドセールスが入力し、どこから営業が操作をするか」といった事も考えなくてはいけません。

戦略やオペレーションに関わる業務を、プレイヤー達だけに任せた場合、「商談セット」といった成果と仕組みの作りの両方を追うため、負担の増加や効率の低下につながる可能性があります。

僕の組織では、オペレーションに絡む部分では専属のメンバーが配置されているため、業務の中で不都合が生じたり、改善要望が出た際は、そのメンバーに集約し、対応を依頼しています。

営業部門にも営業事務や営業支援組織があるように、インサイドセールスにおいても同様の役割の組織やメンバーを配置する事が大切です。

原因その2:オペーレションシステムが複雑

インサイドセールス組織の構築が進むにつれ、また、取り扱う商材や組織体制の変更が起こる度に、インサイドセールスの業務フローは複雑化する傾向にありますが、やり過ぎには注意が必要です。

僕自身、今の会社に入ってインサイドセールスをスタートしてから数ヶ月が経ちますが、この数ヶ月でも両手で収まりきらない数の変更やルール設定がありました。

正直、全部覚えているかと問われれば、答えはノーです。無理です(笑)

ルール設定は円滑な組織運営に不可欠な一方、細かすぎたり多すぎると、

「認識がなく操作を誤る」
「チームや人別に解釈が違う」
「情報を探すために手間がかかる」

など、様々な弊害につながります。

何より、プレイヤーにとっても大きなストレスです。業務効率が大幅に下がります。

対策としては、正式なマニュアルや情報の集約化、ルール策定の決定機関・人間を固定するといった事が考えられます。

以前セールスフォース・ドットコムの方と話した際、インサイドセールス部門の原典となるマニュアル・掟があり、全てはそこに追記・修正されていくと聞きました。当然、誰かが勝手に変更や修正を加えることは許されず、その構築と浸透を専門としてメンバーもいるそうです。

行動阻害を極力避けつつ、明確なオペレーションシステムの構築を目指しましょう。

原因その3:テーマや役割が不明確

 インサイドセールスが失敗した例として「ただのアポ取り部隊になってしまう」といった声を見かけます。

「アポ取り部隊」になること自体は、それが目的であれば全く問題ないと思います。営業が沢山商談を要求していたり、リード数が少ないため、コールドな状態でもまずはアポを獲得し、営業と協力して開拓していくケースもあるでしょう。

しかし、具体的な目的が定まらず「営業を効率化しよう!」といった曖昧な目的だけで走りだすと、迷走します。

営業は「受注」というゴールが明確に決まっているため、テーマがなくとも「数字」でその存在意義や目標が設定できます悪い言い方をすると、どんな事でも「数字」に逃げることができます。自分たちの意義や意味、役割を想像したり説明できなくても、何とかなってしまうんですね。

一方でインサイドセールスは、会社によってKPIが異なります。商談の質にこだわる組織もあれば、営業と同じく受注を追いかける組織もあります。教育機関としての役割をもたせるとなれば、単に数値だけでは評価できない部分も多くなります。

インサイドセールスはカバー領域や持てる役割、機能が多岐に渡ります。
だからこそ、「何を追うのか」「どんなテーマをもつか」といった事が、組織運営において大切になります

KPIはゴールへの進捗を測るメジャーの一つでしかなく、ゴールを描くかなければ成り立ちません。自分たちのインサイドセールスが何を目指すのか、仮でも良いので設定することが失敗を避けるポイントです。

原因その4:他部署と話せるマネジメント層の配置

インサイドセールスは単体で動くものではなく、マーケティング部門や営業部門と密接に関わって仕事をします。

現場レベルから他部門に要望を伝える際、組織の大小にもよりますが、双方のプレイヤーからボトムアップし、マネジメントラインですり合わせるというケースも多々あります。

そんな時、両部門やどちらかを経験している人材をアサインすると、コミュニケーションの円滑さや、認識の齟齬が起きにくいといったメリットもあり、組織間交渉もスムーズです。

一方で、互いの事をよく知らない同士や、営業部門へ理解のない人がマネジメントをしてしまうと、いわゆる「どっちが上だ、下だ」といった悲しい論議に陥る可能性があります。

初めてインサイドセールスを立ち上げる際は、営業部門で強い力をもった人物をアサインするるというのが一つの定石ですが、まさにその通りです。
営業とインサイドセールスの間には、本来上下という関係性の軸は存在しません。受注というゴールへ向けたファネル構造の中で、それぞれの役割の定義や範疇が変化するだけです。

営業やマーケに疎い人をアサインしてはいけない、という断定的なものではありませんが、他部署と対等に話ができる人をマネジメントに据えることで、インサイドセールスのポジショングや動きやすさに影響が出る事は間違いありません。

原因その5:営業とのコミュニケーションが薄い


インサイドセールスとフィールドセールスは、常にコミュニケーションを取れる環境におきましょう。

自分で取ったアポイントがどうなったのかや、次のアクションをどうしていくかなど、営業とこまめに連携をとる必要があるからです。

インサイドセールスはアポを取って終わり、営業は受け取ったら終わりという関係だと、双方のフィードバックが行われません。

「実は商談前に〇〇の情報が欲しかった」「商談時は〇〇についても触れてほしかった」など、案件に対して意見を交わすことで、ナレッジの蓄積やより双方の希望を満たした行動がとれるようになっていきます。

席が遠かったり、フロアが違ったりすると、こうしたコミュニケーションが取りにくくなります。チャットアプリもありますが、ニュアンスの違いやフェイスtoフェイスで話した方が良い事も沢山あります。

営業とのコミュニケーションが少なくなると、お互いの認識や方向性のズレを修正しにくくなります。僕の組織もで、毎週1回は営業とインサイドセールスの双方が集まり、戦略や方向性を確認し合っています。

原因その6:ナレッジやノウハウの点在化/属人化

インサイドセールスをやっていると、日々メンバーは試行錯誤し、様々なアイデアに基づくアクションを実行しています。

メンバーが日々の実践で得たナレッジやノウハウが属人化していたり、一体どこにあるかが分からないまま整理されずにいると、成功できる可能性は低下します。

インサイドセールスは、メンバー間の距離が近く、互いの成功や失敗を共有できる点が魅力の一つです。

気軽に共有できる仕組み作りや、スキルをシェアする場、相互に教え合う文化を作ることで、インサイドセールスの成長は早まります。

同時に、そこで収穫された知見を整理・体系化することで、後から入ったメンバーが利用できる状態にしておく事も必要です。

営業で言えば「自分のお客さんは自分のもの」「テクニックは秘密にしたい」という考えは根強く残っていますが、インサイドセールスにおいてその考えは失敗のもとです。

原因その7:定性的な評価の有無

普段インサイドセールスをしていると、コールやメールなどといった顧客とのコミュニケーション以外の業務も発生します。

SFAのカスタマイズといった事から、施策の分析、イベントやセミナーでのお客様フォローなど、個人の数値に直接現れない部分でも、インサイドセールスのメンバーは仕事をしています。

チームにおいては、マネージャーとプレイヤーの間に落ちる仕事もあり、そうした隙間の仕事を細かく拾える人材も必要です。

メンバーを評価する際に、KPIという数値的な指標はもちろんですが、数字で測る事ができない定性的な面にも光を当て、評価しましょう。やろうと思えば、自分の数字だけを追いかける事もできます。ただし、全員がそれをやってはインサイドセールス組織が上手く回らない事も事実です。

自分の数字をやれた人だけを評価するのではなく、時には数字を犠牲にしてでも、チームや全体の成果に貢献した人がいれば、しっかりと評価する。

個人競技の側面だけではないからこそ、失敗しないためには目を向けておきたいポイントです。

インサイドセールスを失敗させる8つの原因まとめ

今回は僕がプレイヤー目線で気づいた、感じた失敗の原因をまとめてみました。

インサイドセールス組織を運営していくには、他にも気を付けるべきポイントが沢山ありますが、ノウハウ系の話にはない「リアルな失敗の原因」をお伝えできたと思います。

1つ、2つ起こったからと言って、すぐさま失敗には繋がりません。上手に失敗を予測しつつ、トライ&エラーを重ね、自社にフィットしたインサイドセールスを作りあげていきましょう!