現役インサイドセールスのユトルです。
つい最近、Twitterで少し話題が上がっていた『営業企画』という言葉。
『ブランド人になれ!』という本でも有名なZOZOの田端さんが話題にしており、YouTubeで「営業企画と営業の違い」について説明していました。
この孫悟空の胴着のような色を背景にジャンプをキメているのが「田端さん」ですね。
以前読みましたが、「Twitterのフォロワーが1,000人いない奴は終わってる!」と書いてありました。
ちなみに僕は現在フォロワーが50名・・・。
フォローして下さってるみなさんごめんなさい。
「ぼくは、終わってます!!!!」
さて、話題にあがった「営業企画」という仕事。
一体どんな仕事かご存知ですか?
シンプルに語れば「営業が戦いやすよう、あらゆる手段で援護する」
これが営業企画の役割です。
田端さんの言葉を借りて説明すると、
「営業担当は歩兵部隊としての営業マンに、どういう風に動き、突撃して、商談のクロージングをしてもらうか?または、そこに至るためのシナリオを考えるか。例えば、CMをやったり宣伝をすることもそうだし、キャンペーンをつくったりパンフレットを作ったりするのもそう。」
「戦争で言えば、歩兵が突撃する前に航空支援を要請し、適切なタイミングと場所へ爆撃をするとか、相手の塹壕やトーチカに対して、事前に砲撃を要請して味方を援護するとか。戦局が有利に進むよう考えて実行する」
マーケ的な要素も少なからず含みますが、営業全体の生産性や戦闘力を向上させる、非常に重要なポジションであり、だからこそこれから市場価値が上がるとのこと。
世の中の営業にはまだまだ戦略ではなく、歩兵がもつ「個の力」で戦っている会社も多いことから、必要とされる機会は増えると言われています。
かなり長くなりましたが、ここまでが前置きです(笑)
「営業」において「営業企画」というポジショニンが重要視されるように、インサイドセールスにおいても「インサイドセールス企画」ないしは「インサイドセールス企画」なるポジションがあるのをご存じでしょうか?
企業によってはまだまだインサイドセールスのプレイヤーのみであったり、マーケティング部が近い機能を発揮している場合もあるかもしれません。
一部の企業では既に『インサイドセールス企画』という部署や役職があり、営業企画と同様にインサイドセールス部隊の支援を行なっています。
本記事では、そんな「インサイドセールス企画」について、求められる役割や機能、経験する事で身に付く力についてお伝えします。
1.インサイドセールス企画の役割
まずはインサイドセールスが持つ役割や機能についてです。
管轄する範囲や内容は企業やチームによって変動しますが、僕が見聞きしてきた事を中心にお伝えしますね。
1.ルールの策定と運用
顧客リードの割当てから、セールスフォースなどの入力方法、顧客へのアナウンス内容など、インサイドセールス業務がスムーズに活動し続けるために必要となるルールを作り、運用していく事は、インサイドセールス企画にとって重要な役割の一つです。
なぜ重要かと言うと、インサイドセールスが非常に組織的な活動だからです。
インサイドセールスは営業のように、1つの顧客・案件と中長期に向き合うものではありません。
不特定多数のリードが流入し、それに対し複数のメンバーが発信・アプローチするというフローが繰り替えされます。
物流の集積拠点と考える分かりやすいかもしれません。
形も大きさも中身も違うものが、常に到着し、しかるべき配送担当目的の場所へ届けられるよう、拠点内の交通整理やオペレーションを整理し、滞りなく荷物が配送されるよう常に管理する。
これには明確な運用ルールと管理が欠かせません。
インサイドセールス企画は、指令塔として、円滑な業務遂行を下支えする事が求められます。
2.マーケティング部門との調整
リードの獲得は、主にマーケティング部門が担います。それらはMarketoを代表とされるMAツールを介するかもしれませんし、もう少しアナログな形でインサイドセールスへ引き渡されるかもしれません。
マーケティング部が獲得したリードを引き受ける時、一体どんなリードを優先するのか、誰に、いつのタイミングで渡すのか。
インサイドセールスのプレイヤーは、KPI達成へ向けアクションする事にフォーカスしがちですが、この戦力の矛先をどこに向けるべきかが非常に重要です。
極端な話、全く見込みのないリードや業界・業種・部署からアプローチさせては、せっかくのインサイドセールス部隊の効果を最大化できません。
どんなリードソースにあたるべきか。これについては、マーケティンが一律に判断したり、スコアリングだけでなく、細かな戦略が求められます。
「展示会で集めた温度感の高い顧客がいるにもかかわらず、インサイドセールスがコールするのは1週間後だった・・・」
これでは従来と変わりません。
マーケティングが獲得したリードを、適切なタイミングで、適切な順序でインサイドセールス部隊に料理してもらう。
この見極めは、「営業企画」にも通じる部分があります。
3.インサイドセールスの健康状態をチェック
インサイドセールスが不健康な状態とは、どんな場合が想定されるでしょうか?
例えば、
・割当たったリストやリードのうち、その多くが触れられないままリサイクルや差し戻されている。
・アポイントの獲得が、ホットなリードに偏っている(顧客から問い合わせがあったリードばかり)
こうした状態が発生したら、インサイドセールスがきちんと機能しているかを確認する必要があります。
インサイドセールスの利点は、見込みが薄いリードも含め幅広く顧客と接点をもち、商談チャンスを見出す事にあります。例え見込みが薄いとしても、コミュニケーションをとって少しずつ顧客を醸成する事も重要な役目です。
もし、せっかく渡したリードが、何のアクションもなく返却されていたら、その数が多ければ多いほど、せっかく獲得した顧客・リードを無駄にしているかもしれません。
SFAやMAを導入していれば、この辺りを管理・可視化する事ができます。
インサイドセールス企画は、ITツールを駆使しつつ、こうした状況となったら即座に反応し、本来あるべき行動をとるよう方向修正をする必要があります。
インサイドセールスの管理・マネジメントと聞くと、「行動量」や「商談数」がフォーカスされがちですが、根本的に正しいアクションが取れているのか、ホットなリードばかりでなく、一つ一つの顧客と向き合っているかなど、より細かいポイントから、全体の状況を管理する事が重要です。
2.インサイドセールス企画に必要な能力
経験という意味では、実際に営業で販売を行なったり、インサイドセールスのプレイヤー経験が求められるでしょう。
営業企画を営業未経験者が務めるのが難しいのと同様に、自分がやった事がない仕事を企画・ディレクションするには相当な力が必要です。
プレイヤーとしての経験以外で必要な力についても見ていきましょう。
1.柔軟性と規律性
入力やリードの管理方法一つをとっても、明快・明確なルールを敷いて徹底インサイドセールスにおいて大切です。
理由は単純で、ルールがなければ属人的な判断が発生し、それに伴う確認作業が膨大に発生します。
営業情報の属人化が、莫大なコミュニケーションコストを生じさせる事と同様です。作業効率性が最大の武器であるインサイドセールスにとって、ルールが曖昧な状況は致命傷です。
そのため、インサイドセールス企画にはルールを作り、きっちりと守れる規律性が必要となります。
ただ、一方で状況に応じてルールの変更にも応じられる柔軟性も求められます。インサイドセールス組織はどこでも日進月歩。同じやり方やルールに固執するのではなく、現場やメンバーからの意見に合わせて切り替える力も求められます。
2.マーケティングの知見
理由は至極シンプルで、マーケティング部門とのやりとりが増えたり、インサイドセールス企画自体が展示会などでリード獲得に動く事もあるため、マーケティングの知見は必然的に求められます。
なくても仕事をこなせる可能性はありますが、マーケティングの知見を持っていてマイナスになる事は一つもないです。
インサイドセールスが聞き取った顧客の声をもとに、マーケティング施策へのフィードバックを行ったり、自らセミナーを企画し、営業やインサイドセールスを支援するといったアクションも取れます。
3.インサイドセールス企画で身につくスキル
インサイドセールス企画で得られるスキルは、プレイヤーとも少し変わっているため、経験する事で自身のスキルセットの幅を増やす事が可能になります。
1.全体設計の力
インサイドセールス部隊が実際に動く土台を作る事は容易ではありません。
また、作るだけでなく効率的に活動ができるよう常にワークフローや運用ルールの見直し、対応が求められます。もちろん、効率が良いだけではだめで、しっかり成果に結びつく仕組みを作る必要があります。
部分と全体の視点を常に持ちつつ、結果から逆算し、組織を設計する。
インサイドセールス企画を経験する事で、仕事の枠組みを作り上げるが養えます。
2.調整力
インサイドセールスは、営業とマーケティングの橋渡しと言われる事もあります。
双方の要望や目的、現状を的確にフィードバックする事も大切な役目です。
しかし、インサイドセールスの真骨頂は営業・マーケティングをどれだけ動かせるか、使いこなせるかにあります。
数多くの顧客の声に耳を傾けるインサイドセールスだからこそ、顧客が何を求めているのか、現在のマーケティング戦略は顧客に響いているのかを敏感に感じ取り、違うのであればより有効な戦略へ切り替えるようマーケティングへ働きかけなくてはいけません。
シンプルですがアポイントの取得が多い業界・業種・部署が見えたらな、その層へ向けてメッセージを発信するなど、より自分たちが成果を出しやすい環境となるよう、マーケ部門を動かすことも必要です。
営業も同じく、インサイドセールスが司令塔となって、いつ、どこの、誰に会って何を話してほしいのか。鷹の目をもって営業をリードしなくてはいけません。
こうした働きをこなすには、「調整力」が必要となります。ただお願いするだけで人は簡単には動きません。部門をまたいで連携するとなれば、双方が抱えるタスクや目的、立場を汲み取ることが肝となります。
インサイドセールスとしての狙い、目的を、いかに他部門へ理解してもらい、思った通りに動いてもらえるか。インサイドセールス企画を経験する事で、こうした組織間の調整力を身につけることができます。
インサイドセールス企画まとめ
営業企画と同じくらい、今後はインサイドセールス企画という仕事も市場価値の高い職種になっていくでしょう。
インサイドセールス組織の立ち上げにつまづく企業も沢山存在するため、マーケを含む企画能力があれば、あらゆる組織で重宝されます。
まだまだ設置している組織は少ないですが、ポストや部署があれば、迷わずチャレンジしてみる事をお勧めします!!