
こんにちは、ユトルです。編タイツに惹かれ、この写真を選びました。
インサイドセールスを始めて1年が経ちます。
転職を機に初挑戦しましたが、この仕事に出会えて良かったと本気で思っています。
でも、そんな僕も1年前までは、
という状態でした。
過去に営業経験こそあれ、インサイドセールスについては恐ろしいほど全くの無知だったのです(笑)
偶然にも、素晴らしいインサイドセールスチームをもつ会社に出会い、その中で切磋琢磨していくうちに、スキルや考え方を習得する事ができましたが、今になって周りを見渡してみると、似たような組織は国内にも本当に限られている実感しました。
そのくらい、インサイドセールスは新しい仕事であり、企業によって仕事内容や位置づけ、レベルには差があります。
せっかく新しいフィールドでのチャレンジを思い立ち、挑戦しようと思っても、あまり理解せずに求人を見て応募し、入社してから「思っていたものと違う…」となったら、お互いハッピーではないですよね。
そこで今回は、
「これからインサイドセールスをやってみたい」
「インサイドセールスの仕事に興味がある」
という人へ、実際にどんな求人があるのかを紹介しつつ、それが経験者の目にどう見えるのか、どんな内容なのかをサクッと読み解いていきます。
読んでもらえれば、「インサイドセールス求人の見方」が分かり、求人ごとの違いも把握できるようになります。
あくまで今回はサクッとなので、具体的な見方は別の記事でも紹介していきたいと思います。
・インサイドセールスに挑戦したい人
・インサイドセールスの求人の違いが分からない人
・より自分に適したインサイドセールス職を見つけたい人
求人内容は僕も転職の時にお世話になった【doda】に掲載されているものを参考にします。
基本的な求人数が多い上に質が高いものが多いので、転職を考えている人やどんな求人が多いかニーズを探りたい人には、かなりオススメです。
【公式サイト】転職ならdoda
「インサイドセールス」で検索し、ヒットした求人を自動的に上から3つ選び、中身についてレビューしてみます。
そもそもdodaに掲載されているインサイドセールスの求人数ってどのくらいあるのか?
まずは前置きとして、ここ数年で10倍以上とも言われているインサイドセールスの求人が、一体どのくらいの数があるかからまず調べてみましょう。
検索欄に「インサイドセールス 」と入れ、全国で検索をかけてみます。

※2020年1月14日現在の情報です。
正直深キョンのこのキャラクターは、控え目に言ってもうざ、、
検索結果がコチラです⬇️⬇️

全国で合計256件
多いと見るか少ないと見るか難しいところですが、「営業」で検索すると全国合計で36,126件ヒットしたので、割合からすればなんと「0.7%」
まさに「希少価値の高い仕事」ですね。いや、改めて見るとすごい数値だと思います。
もうちょっと調べてみたらところ、doda上で全国でもインサイドセールスの求人が存在する都道府県は、合計19都道府県。半分にも満たないことになります。
中でも求人数が多い都道府県は、
1位:東京(256件)
2位:大阪府(15件)
3位:北海道(13件)
4位:神奈川(6件)
でした。
北海道が3位には少し驚きですね!
本来のインサイドセールスの趣旨から行けば、土地が広いので地域特性にはマッチしてるとも言えます。
依然、東京一極集中なので、都内の企業でしっかり修行し、インサイドセールス+αのスキルを身につけて地方へ行けば、かなり重宝されますね。
さて、ここからは「東京」「インサイドセールス 」の条件でdodaを検索し、トップに上がってきた3社の求人を見ながら解説とツッコミを入れていきます。
エントリーNo.1:株式会社リンク
一番上位に表示されたのは株式会社リンクです。

こちらは『BIZTEl』というクラウド型コールセンターシステムに関する販売の仕事ですね。

まず目に入ってくるのは「テレアポ・飛び込みなし・未経験可」と「100%反響営業」というところ。
「テレアポ」が何を指すかという点は少し気になりますが、100%反響営業ってすごいですね。全く興味のない顧客に電話するのではなく、資料請求をしたり、サイトを訪れている方が対象ということです。
つまり、商談のアポイント獲得難易度も比較的低いと言えます。
が、本当にそんなに沢山反響営業があるのかは分かりません。
実際はガンガン興味のない方にもコールをしていくかもしれませんし、メールマガジンを開いた人を「反響があった」と定義している場合もあります。
疑いたくはないものの、反響営業だけというのは言い換えれば「引く手数多」とも言えるので、果たしてそんなに沢山顧客がいるのか・・・?と、自然に思った次第です。
次に「営業スタイル」についてですが・・・・んん??

「テレアポや飛び込みは一切ないので・・・」って、一体どっちなんでしょうか。
営業職はテレアポがなくて、インサイドセールスがやるという事なのか、そもそも反響営業だからきついテレアポはやる必要がないと言いたいのか?
いずれにせよ、インサイドセールスがどんな立ち位置で何をするのかが正直分からないですね。

チーム構成を見ると「インサイドセールス」の文字。
安心しました。インサイドセールスという職種はきちんと存在するようです。
この後具体的な業務について説明がないか読み進めたものの、これ以上インサイドセールスに関する記述や説明はありませんでした。
念のため、株式会社リンクさんのHPも確認しましたが、本体のページには「現在募集無し」の記載のみ。
今回掲載の求人をみる限りでは、「インサイドセールス」という仕事なのか、営業事務なのか、はたまたオンラインセールスなのか、業務内容がはっきりと分からないという結論に至りました。
もちろん、何か意図して表現したい点があったのかもしれませんが、インサイドセールスの求人の中には、その立ち位置や役割が不明確なものもあります。
求人をチェックする際は、インサイドセールス の「業務内容」「役割」「営業フロー」などの記載をチェックするようにしまよう。
エントリーNo.2:株式会社モバイル・プランニング
2つ目の求人は、Wi-FiレンタルやMVNO事業(仮想移動体通信事業)を手がけるモバイル・プランニングです。

求人内容はWi-Fiのレンタル営業ですね。HPを見ると店舗向けのレンタルサービスも載っていました。
求人のトップを見ると、【新規開拓タイプ】【内勤タイプ】【契約タイプ】【運用タイプ】と記載があります。
内勤タイプがインサイドセールスを指しているのでしょうか?
詳しく見てみましょう。

フィールドセールスを発見しました

カスタマーサクセス発見を発見しました

インサイドセーっ・・・。
・・・・。
変身ポーズから年代が分かりますね。
これは恐らく2号でしょう。仮面ライダーの。
失礼を承知ながらお世辞にもインサイドセールスっぽさを感じられませんが、強いて言えばサンダルなところが「内勤」感を醸し出してます(笑)
1つ目の求人と同様、「反響営業」「お問い合わせ」とあるので、サービスに関心があるお客様や、反応のあったお客様を相手にするようですね。事業的には競合も数多くいそうですが、小売や小規模なお客さんから沢山問い合わせがあるのかもしれません。
さて、気を取り直して求人の詳細を見てみましょう。

「飛び込み・ゴリゴリ一切なし」いいですね。
僕も飛び込み・ゴリゴリは得意ですが好きではありません。

仕事内容では、フィールドとインサイドセールスがあるものの、見る限りだと両者が連携している感じはなく、フィールドセールス自体は一般的な営業ですね。
顧客の発掘から契約獲得まで、全て自分でやるという従来のスタイルです。
インサイドセールスの役割は、ここも正直よく分からないですね。。。
すぐ下にある「クロージング」と言われる仕事から顧客のパスが来て、受け取った後は「電話とメール」
ただ、さっきの仮面ライダーの方のところに「契約まで持ち込みます」と書いてあったので、見込み度合いの高いお客様を引き取り、そのまま受注まで持っていくのでしょう。
研修では「営業同行」もやるようですし、必ずしもインサイドセールスになれるかは未知数ですが、どちらかと言うと「オンラインセールス」ですね。商談獲得や営業フォローではなく、「オンラインで商談し、オンラインで完結する」タイプです。
商談創出ではなく交渉〜契約を担うので販売力や交渉力は鍛えられます。恐らく商材はそこまで高価ではないでしょうし、個人向けWi-Fiの契約ならWebで取引完結が主流なので、取り扱い・販売の難易度も易しい部類でしょう。
オンラインセールスとしての経験を積みたい方にとってはお勧めの仕事ですが、一点だけ気になるところが・・・それがコチラ。

従業員が10名・・・。営業部門とインサイドセールスの連携云々ではなく、「個の力」!
想定されるメリットとしては、インサイドセールスの役割や活躍できる範囲が非常に広く、マーケや営業職を含め、あらゆるポジションの経験を一気に積めるフィールドだろうという点。
デメリットは、データやITツールを活用したインサイドセールスではなく、単にオンラインの営業と一緒なのではないかという点です。データ分析や活用といったインサイドセールス の要がどの程度できているかは分かりませんが、規模感から察するに、高度な営業フロー、プロセスの構築はできてないのでは・・・と感じます。
スマートキャンプが出している「インサイドセールス業界レポート」では、アンケートに回答した半数以上の企業で、インサイドセールスの人数が「5名以下」でした。
社としても10名となると、インサイドセールスの役割もかなり流動的でしょう。
良く言えば活躍の幅が広いですが、一方でインサイドセールスに注力できない可能性もあるため、会社・チームの規模感は見るようにしましょう。
【dodaに登録して求人をチェックする】
エントリーNo.3:サングローブ株式会社
web広告とかを取り扱っている企業ですね。
求人タイトルや画像にバッチリ「インサイドセールス」の文字が踊っています。
「オフィスワークで始める営業職」という表現もシンプルでグッドです。
そして何より、
「年収1,000万円も目指せる」
僕を雇ってください(笑)

にしてもインサイドセールスで年収1,000万円ってすごいです。
この前、『インサイドセールス 究極の営業術』の著者でお馴染みの水嶋玲以二さんとお話しした際にも話題に出ましたが、国内のインサイドセールスプレイヤーで1,000万をもらえると人って、ごくごく少数です。ほとんどいないと言ってもいいレベル。
そう考えるとかなり貴重な求人の可能性も・・・。
もう少し具体的に見てみましょう。

「完全分業のスタイルで、専門性を磨けるセールス」
これまでの2つと比べ、最もインサイドセールスについて明確にその役割や業務内容が書かれた求人ですね。
ここまであると、非常にイメージも湧きやすいです。
【仕事の流れ】という欄にも、
①電話による新規案件取得、顧客情報のヒアリング
②商談設定
顧客のニーズをくみとって、必要とあらば商談を組む。この辺は誤解なくインサイドセールスとして一般的な役割・働きです。
また、アポイント後は専任メンバーとあるので、訪問または商談を行う担当がいるのだろうと想像できます。
インセンティブは成約。KPIが成約=受注という点は、比較的一般的な指標かと。インサイドセールスにもしっかりインセンティブがつく辺りは素敵だと思います。
こんなガッツリとしたカッコイイ資料も、

市場分析とニーズ開拓、ちょっとこの辺の具体的な中身と接続は少し引っかかる部分はありますが、しっかりとインサイドセールスの働きや役割を考えているように見えます。
きっとインサイドセールス未経験の方、初めて挑戦しようという方は、「ここならインサイドセールスの良い経験が積める。」そう感じるのではないでしょうか。
僕も途中までは「しっかり伝えようとされてるな〜」と思っていたんですが、結論から言うとオススメできません。
なぜか?その理由がコチラ⬇️⬇️

架電数:1日150件~200件程
ノルマがないことと、成果がでなかったらい給料が安いというのは両立してしまうので、
ここはスルーします。
真のインサイドセールスを経験した事がある方ならお気づきの通り、
マーケットにもよりますが、1日100件のコールはかなり難易度が高いです。
200件とか、「インサイドセールス」からするとまず無理です。
テレマやテレアポならいざしらず、顧客のニーズを把握したり、顧客の購買意欲を高めたり、見極めるような質の高いコミュニケーションを取ろうと思ったら、1日で150件は無理がある、という事です。
考えてみましょう。
仮に午前9時30分からコールを開始し、17時までやるとした場合
休憩と雑務を除いて活動を6時間とすると
150件だと、1時間あたり25件
コール1回につき2.5分
5分で2件のお客様へ電話する計算です
これが200件だと、2分以内に1件のコールを終える必要が出てきます
真のインサイドセールスを経験した事があるならお気づきの通り、これはインサイドセールスではなく、単なるテレアポです。
MAやSFAで顧客管理を行っていれば、相手によってトークのシナリオや伝える情報は変わります。どんなに対応を効率化しても、1件あたりの対応を2分〜3分というのは限界があります。
僕の勤務先のトッププレイヤーでも、150件は無理な数値です。物理的にはできても、質の低い電話にしかならないです。
たった2分でお客様のニーズを引き出せるのか疑問符がつきます。
また、1日100件〜200件をかけるとなると、電話をする相手先の確保が必要になります。よほどマーケティングがしっかりしている会社でも、これだけの数をコンスタントに用意するのは大変です。
手っ取り早く架け先を用意するなら「電話帳営業」ですが、そんな顧客分析もなく、手当たり次第コールするだけでは、結局ただの「テレアポ」と同じ。スキルも何も、身につくのは「気合」と「根性」です。
あまり憶測でものを語ってはいけませんが、インサイドセールス経験のある僕がこの求人を見て受けた率直な感想です。
ここからは余談ですが、インサイドセールスに積極的な企業は、最近メディア発信やイベントも頻繁に開催しています。サングローブでも何か発信しているのでは?とツイッターを徘徊していたところ気になるツイートが・・・。



一生懸命やっている人もいるでしょうし、誇張してる部分もあるかもしれません。
とは言え、こうした評判が出てしまうとインサイドセールスとしては好ましくありません。
インサイドセールスは、自社とお客様が直接会話する最初の一歩を担います。会社の印象やブランドを大きく左右しますし、会社の顔として恥ずかしくない振る舞いが求められます。
だからこそ、上記のような事はあってはならないものです。
と、何だか最後はサングローブさんを集中的に指摘するような内容になってしまいましたね(汗)
本来の趣旨は、「インサイドセールスを知らない方へ、仕事や求人の見方をお伝えする」とという事ですので、多少厳しい部分はご容赦ください。
真摯に向き合っている身としては、両者の間に誤解なく、相違なく、インサイドセールスという仕事に打ち込んでほしいという思いです。
まとめると、インサイドセールスについてしっかり記述がある求人であっても、レベルや評判を交えて判断することが大切です。
まとめ
想定外のボリュームになりました。
最初は5社紹介したかったんですが、多分1万字を超えるのでやめました(笑)
インサイドセールスという仕事を選ぶにあたり、どんな求人があるのか?何を見れば良いのか?僕の経験を踏まえつつお伝えしてきました。
インサイドセールスはこれからもっともっと一般的になり、キャリア的魅力、仕事としての面白さ、活躍できるフィールドは広がっていきます。
求人は確かに増えていますが、全てが思い描いた「インサイドセールス像」と同じとは限りませんし、そこがずれると得られるスキルや経験、働き方も変わってしまいます。
選ぶ際は内容をよく見つつ、納得のいくインサイドセールス業務、チームで仕事をしましょう。
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